研究室を一ヶ月ほど休んだお話

6月いっぱい研究室を休んでいた。

自分なりに落ちていって段々と回復していったお話。

飲み込めないモヤモヤ、違和感だったりを言語化するのってすごく大事だと思う。飲み込めないものは無理に受け入れる必要もない、そう思ってこの記事を書いていく。

まず自己紹介

情報系の学科で学ぶ大学四年生。2月中旬に研究室に配属された。

プログラミングが大好きで競プロをやったり、定期的にハッカソンやサーバーチューニングコンテストに出たり、友人と技術書を輪講したりしていた。

ことのあらまし

5月末頃に胸の息苦しさに耐えられなくなった。

一時期呼吸をするのがやっとなぐらい苦しくて、食べたものを吐き出すときもあった。

呼吸の苦しさのせいかわからないが睡眠障害にも陥っていた。 どんな時間に入眠しても早朝覚醒してしまい睡眠負債がどんどん溜まっていった。

さすがにまずいぞと循環器内科に訪れたら、逆流性食道炎と診察された。

心電図検査したところ特に問題がないが、ただ胃が荒れている状態みたいで、「ストレス溜まってますね〜」と医者に言われた。

二週間分の薬を処方されて飲んだら胸の苦しさが収まった。睡眠障害も2週間ほどで気づいたら治っていた。

ただ心の苦しみは変わらなかった。閉塞感に打ちのめされそうになっていた。

当時はまじで研究する意味を見い出せなかったし、常に進捗に追わされていることに辟易としていた。

研究室に配属されたら研究を頑張るのは当たり前、研究ができる奴が偉い、優秀、研究実績が全てといった暗黙の前提が周囲に流れている気がしてとても気持ち良いものではなかった。

研究を頑張るインセンティブも自分で作ることができなかった(給料を貰っているわけでもなければ努力する責任もない)。

ただ同級生と話すと、「研究頑張らなくちゃ」、「この論文がどうこう」と言う話が流れていき、彼らのやる気に一時的に感化?されて自分も研究を頑張らないといけないのかな、と思って騙し騙し輪講資料を作ったりしていた。

研究室でのタスクは、本の指定箇所を読んで輪講資料を作って発表、論文を読んで輪講資料を作って発表の繰り返し。

論文が興味ある分野であっても、締切に追われる結果じっくり疑問点を解消しようというよりは、その場しのぎの発表になる。疑問を抱くことも知的好奇心を満たす暇すらない。

そして、発表を終えた解放感から個人開発に精を出してしまう。しばらく次の論文を読み始めることができず、結局締切ギリギリで読んでよく理解せずに発表する。

心の底から楽しいと思えなかった、閉塞感と飲み込めない違和感ばかりが積もっていった。

当時は、何かイベントだったりプロジェクトに誘われても、どうせ大変なことが増えるだけだろう、と全く期待も抱けなかった。

ワクチン接種の話が近づいても、ワクチンを打ったら大学にもっと通わなければならないのか?と本気で恐れていた。

鬱屈した気持ちで満たされていた。

さすがに耐えきれずに研究室の先生に伝えて研究室を休ませて貰うことにした。

精神状態が相当良くなく、これを放置してはいけないと直感して、生まれて始めて心療内科に訪れた。

心療内科では医師から現在の状態やなぜ訪れたのかを聞かれて30分ほど話した。一時的な気分の低下であること、発達障害の疑いがあることから、次回心理検査を受けることになった。

行ってすぐに自分の課題が解決するような銀の弾丸など存在しないことを悟ったと同時に、自分の特性と向き合って自分なりに状況を改善せねばなあと思った。

研究室を休ませて貰ったし特に何にもやる気が生じないので一週間ほど実家に帰ってダラダラしていた。

親はそれについて何か言ってくるわけでもないし、ご飯作ってくれたり、洗濯してくれたりと日常の家事をやってくれるのがありがたかった。別に無理して大学院行かなくてもいいよと言ってくれて気持ちが楽になった。

一週間の実家滞在を経て一人暮らしの家に戻ってきたが、特に何かやりたいこともないのでマンガを借りてずっと読んでいた。

ブルーピリオドに助けられた。ざっくり概要は要領よく生きてきた主人公が絵に魅せられて本気で東京芸大を目指すマンガだ。

今の自分のためにある漫画と思えるほどにこのマンガに元気を貰った。

下が一番好きだった言葉。

あなたが青く見えるならりんごもうさぎの体も青くていいんだよ

美術部の森先輩の言葉。自分の価値観を大切にして良い、違和感を吐き出しても良い、周りと違くても良いと思わされた。

研究を休んでいて皆に遅れを取っているという焦りもあって、ただこの言葉に出会ってまあ自分のペースで頑張れば良いかぐらいの気持ちで割り切れた。

当時もう一つの困難として、目の焦点が合わない状態にもなっていた。どうやら自分の身体はかなりストレスに正直なようだ(ストレスとの直接的な相関があるかはわからない)。

病院で精密検査をしたら目が老眼のようになっていると言われた。ピント合わせの機能がうまく働いていないらしい。

次回診察時に、瞳孔を目薬で強制的に開いて視力が出るか測るみたいなことを言われた。ピント合わせ機能以外の問題か調べるためだ(恐らく)。

そして一週間後に病院に行って瞳孔を開いた状態で視力検査をした。視力は出ていることから焦点を合わせる訓練を時間かけてやりましょうとなった。あと焦点を合わせる力が先週より上がっていたらしい。安心した。

瞳孔を開くと光が3日ほど眩しかった。レーシック失敗してハロ・グレアになる疑似体験か?ってなった(実際に経験してないからわからないが)。

因みにこの病院が二軒目の眼科(大学病院)なのだが、現実的な解決策を提示してくれて本当に助かった。

一軒目の眼科では二軒目ほど精密検査をせずに、保険適用外の手術をさせようとしていた、恐ろしい。。。

セカンドオピニオン大事、これまじで。

大学病院の診療費は基本的に他の病院と変わらないから心配だったら行くのは全然ありだということも学んだ。

まあこんな感じで少しずつ自分の身体の問題を解決していって、精神的にもマシになって授業に参加できるようになっていった。我ながら恐ろしい成長だ。

実は、今扱っている技術が純粋に楽しいこと、自宅鯖の話をひらすらに語ってくれる某にすごく感謝していて、技術に対する活力を回復させる一助になった。外部から強制されたものではなく自ずから楽しめる気持ち、大事にしたい。

とにかく体調を徐々に治していって、自身の心理的な特性と向き合って無理せず楽しく生きていきたいな。

学んだこと

  • 研究室の先生に不調を伝えたら対処して貰えること(対処してくれないとこは最早先生が悪い)
  • 進路への親の寛容さに感謝しかないこと
  • 無理に自分を殺す必要はないこと
  • 自分と他人は違うから無理に焦る必要はないこと
  • 自分の特性、好き嫌いを理解することが結果自分を守れること
  • 不調があったら病院に行くこと
  • 診療に疑問を持ったらセカンドオピニオンも全然ありということ
  • 心配なら大学病院行くのも一手ということ