海外インターンシップのすゝめ

この記事は慶應理工アドベントカレンダー2022の6日目の記事です。

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自己紹介

こんにちは、yapattaです。今年の3月に大学を卒業して半年ちょいオーストリア(カンガルーがいない国!!)でソフトウェアエンジニアとして労働する機会を終えてついこの間帰国してきました。珍しいかつ面白い機会ということもあり、折角なので理工学部生向けにこのようなタイトルの記事を書きます。


なぜ海外インターンを勧めるのか

慣れていない(不利な)状況を乗り越えて生きていく経験を積める

海外インターンを勧めるのにも色々な理由があります。

給料を貰えるので渡航費ぐらいしか支払う必要がないとか(場合によっては渡航費も全然Payできる)、仕事で英語を使う機会を強制的に持つことで英語力を向上させるとか、海外での労働経験が将来仕事を得る上で有利になるとか、自分を客観視できるような多角的視点を持てるようになるとか、色々あると思いますが、個人的には慣れていない(不利な)状況を乗り越えて生きていく経験を積めるというのが大きいと思います。


慣れていない(不利な)状況の中自分が生きていくために、自分がその状況で手に入れられるもの、妥協するものを否が応でも考えなければなりません。 勿論不利な状況を甘んじて受け入れるだけでは憂鬱になってしまうので、例え言語が不自由であっても言うべきこともはっきり言わないといけないです。ただどう妥協するかしないかは経験を積んで学んでいくしか無さそうです。

初めは社会の制度、ルールを勿論知らないために失敗することも多々あります。日本で得られるものと同じものを得られるなど思わずに(これは自戒もある)、良い経験だと思い失敗して段々と学んでいくしか無さそうです。コミュニケーションを取り続けながら段々と折衷がわかっていくのでしょうか。


また言語が不自由というのは中々に辛いです。ここぞというときに自分が思っていることを伝えられないのはもどかしいです。ただその気持ちを忘れないことで語学を上達させられる気がします。必要となれば学ぶしかないのです。まあ確実に日本でもっと英語(+ドイツ語)を勉強しておけばよかったというのは確かです(まあ追い詰められないとやらない性格なのでどうしようもなかった気もする...)。

生活だけでなく、仕事でも大変です。英語力も会社で一番低いみたいな状態で来たのでミーティングで何を言っているか分からない場面も多々ありますし、勿論昼食での雑談で皆が笑っている中自分だけ何を言っているのか理解できないみたいな状況は起こり得ます。まあそれでも段々と慣れていくし、誤解を生まないために伝えないといけないことは伝えないといけません。相手に理解されなかったことで感傷的になるときもありますが、それでも会社で働いて給料を貰っている以上、伝える努力をして自分が提供できる価値を提供して作るものを作らないといけません。大変です。 ただインターナショナルな職場で働くというのは面白いです。僕らは全く違う人間で感性、思想、宗教ベースだとわかり合えない人間もいる中で、開発の手法だったり社会のルールを守ることで一緒に経済活動ができるというのは興味深いです。



勿論移民として働くというのは不利なだけではありません。自分が持っているアドバンテージを最大限活かすのは大切です。

例えば日本人というアドバンテージから、日本好きの現地人と友達になるのは良いアイデアです。 自分の場合、剣道好きのオーストリア人なら日本好きがいるに違いないという仮説のもと地域の剣道クラブに参加して、非常に親しくしてもらえました。彼らにオーストリアの習慣や人々の考え方を教えてもらいそれによってどうコミュニケーションを取れば良いのかを学べたのは非常に良い経験でした。

日本の食事を振る舞うというのも良いアイデアです。チリ人の友人にラーメンを振る舞ったらラーメンの虜になってしまい、そこから現地の日本人店員が一人もいない日本料理店で良くラーメンを食べる関係になりました。元々自分は美味しいラーメンを現地で食べれないことで禁断症状を起こしてしまい、現地で手に入れられる食材でどう自分のラーメン欲を満たすか苦心したことが始まりですが、結果的に自分が作った料理で誰かが喜んで興味を持ってくれたのは嬉しかったです。


他にも現地で移民として生活している人たちとは仲良くなりやすいです。似たような経験を持っていることもあり親しくしてくれます。ラテンアメリカの人たちやインド人は気さくであることもあり関わりやすく仲良くなりやすかったです。また現地で生きていく覚悟を決めた人たちから貰うアドバイスは非常に有益です。と同時に日本という国は(まだ今の所)豊かで必ずしも多国語を学ぶ必要がなかったり、移民として定住しなければ豊かな暮らしができないわけではないというのは幸せです。

余談ですがイラン人の友人に、「ヨーロッパと日本は良いよな、生まれた場所で何でこうも違うのか、ずっとそんなことが頭に付いて纏う」という話をされたときがあります。人間はどうしようもなく持っているもので生きていくしかないのは確かなのですが、違った観点の意見を直接聞くことで自分が見えなかったものを考えるきっかけを得られます。また少し優しくなれるかもです。



学生のうちに海外インターンをするということ

学生というか、若いというのは素晴らしいです。 学生(インターン)という立場であるために、必ずしも長期間(数年以上)働く必要もないです。そのため気軽に海外就労経験を積めます。また給料が出るので学生であってもお金を浮かして海外生活を経験できます。失敗もしやすいです。

また英語や専門スキルの要求レベルも正社員に比べたら低いです。経験を積まなければ上達しないのにそもそも最初の経験を積むことができないということは年を取るにつれてどんどん増えていきます*1。若さを最大限使えば良いと思います。


理系というのは国外で働くのに非常に有利です。理系の技術は国依存であることが比較的少ないですし、語学力が足りなくても少し専門技能を持っていれば採用されやすいです。また大学の学生課 国際担当が結構理系向けのプログラムを用意してくれています。

因みに自分はIAESTEというプログラムを使いました。STEM*2などの分野で国際的にインターンシップ機会を提供する非営利法人です。この記事の目的と反するため詳細は省きますが、このプログラムに申し込んでIAESTEと提携している現地企業と面接して(しない場合もあるらしい)現地に派遣されるといった感じでした(もし渡航までの詳細を知りたければ個人的に伝えるか別記事を書きます)。

実際に現地で生活するときにIAESTE現地法人のボランティアの人達が生活を助けてくれたり、イベントを開いてくれたり、他のインターン生と仲良くなれるのは大きなアドバンテージです。

また期間に関して比較的柔軟なのもアドバンテージです。企業もしくは向こうの大学*3が合意してくれたら、自分が希望する期間滞在できます。そのため夏休みなどに短期でインターンするのも良しだし、休学して長期でインターンするのも良しです。因みに個人的な意見ですが、現地での移民としての生活をより理解したかったら、生活の良し悪しがわかる長期インターンはオススメです。

もちろんインターンと言う名目の元安給料で働かされるようなこともなくしっかり給料も支払われます。そこは安心して下さい。

iaeste.or.jp


まあ他にも色々なプログラムがあるので自分に合ったものを探してみればいいと思います。

www.st.keio.ac.jp


終わりに

長々と書きましたが、これを機に海外インターンに興味を持って行ってみたいと思っていただけると僕も嬉しいです。 コロナも終息しつつあり*4、数年前に比べたら確実に行く敷居は減っています。 何かと興味を持って気になることがありましたら気軽にコメントもしくは連絡して下さい。


*1:正直これが横行すると完全に親の格差が子供に伝播してしまうので、社会が個人の年齢に関わらずいつでも新しいことを学び始めることを支援するべきである

*2:Science, Technology, Engineering, Mathematics

*3:研究インターンというものもある。何なら大学でのインターンの方が柔軟かもしれない

*4:ヨーロッパでは特に