旅行ボーナスが終わって気づいたら残り1ヶ月になっていた

どうもyapattaです。

なんかもう10月なのです。遂に労働終了まで残り1ヶ月!

そして今週末久しぶりに特にやることも無く(恐らく同僚とUrfahraner Herbstmarkt*1に行くぐらい)、久しぶりに日記を書いている。

 

先週までは怒涛だった。東欧旅行ボーナス期間が終わったと思ったら、次は休む間も無く剣道ボーナス期間に入っていた。先週末はプラハの剣道大会*2に出場したし、先々週末はあろうことかルクセンブルクからコーチが来て土日連続で二部連をしていた。ここまで剣道をするとは誰が想像していただろうか。自分もびっくりである。折角プラハに2泊3日で来たのに旅行は一切せず一日中体育館に居たのである。とは言え団体で3位、個人でベスト16になったし、非常に楽しく剣道ができたので満足としたい。

剣道やっているオーストリア人で日本嫌いはいる訳ないだろという仮説のもと友達作りぐらいの気持ちで始めたものの、今となっては非常に楽しくなってしまった。暗黙の強要があるわけでもなく個々人が剣道を愛している環境が最高なのだ*3

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東欧旅行ボーナスの最終回はルーマニアブカレストだった。ブダペストと非常に名前が紛らわしい*4オーストリアと違って9月中旬であっても全然半袖で旅行できるぐらい暖かった*5。旧市街や中心地は非常に綺麗だが少し離れると途端に汚い街が広がって面白い。コミュニズム的無機質な建物もいっぱいである。道路が綺麗に舗装されているとは言い難く、ガタガタの割れた道路を時速25kmで走るのは非常にスリル満点で楽しかった*6

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因みにブカレストの観光地の大半はチャウシェスク関係もしくは寺院に集約される。チャウシェスクが与えた影響が大きすぎるんだ。そして真っ先に挙がる観光地は間違いなく国民の館(Palace of the Parliament)であろう。ただ当時国際フォーラムのせいで一般人は立ち入り禁止になっており、外観を見ることしかできなかった。これは非常に悲しい。ただ外から見ただけでもその巨大さには圧倒される*7

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国民の館に入れなかったのは非常に悲しいが、チャウシェスク成分を堪能せずにルーマニアを去ることなどできないと思い、訪れたのがチャウシェスクマンションであった。チャウシェスクマンションとはニコラエ・チャウシェスク元大統領の私邸である。豪華絢爛であり、屋内庭園や巨大なプールが存在する。更にチェス用の部屋も存在する。1980年代当時としては珍しくチェス対戦用CPUなどもあった。誰もチャウシェスクにチェスで勝てた人は居なかったとガイドが話していて、さり気なくコミュニズムジョークを混ぜてくる。

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邸内にある展示用のトイレと屋外にある観光客用のトイレの格差に圧倒され革命を起こしてしまいそうになった。

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これはHouse of the Free Press(Casa Presei Libere)というもの。ルーマニア共産党の新聞社である。この無機質なディストピア感がなんと言っても溜まらない。

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ブカレストと言えば第一次世界大戦勝利記念の凱旋門

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ルーマニアでは無事問題もなかった(ここ数十年で非常に治安が良くなっているし、自分でも十分気をつけた)が、あろうことか帰宅途中、オーストリア国内で携帯電話を紛失してしまった。更にリンツ市内でである。完全にホームに帰ってきた気持ちで気が抜けていた。自分のIPhoneが古いこともあってバッテリーを少しでも長持ちさせようとFind My Phoneをオフにしていたのも完全に裏目に出た。どこにあるのかすらわからない。胸の中でアムロの言葉が何度も再生された。

身構えている時には、死神は来ないものだ。ハサウェイ···

ということで旅行翌日から大変である。警察、市役所落とし物サービス、鉄道会社、市電会社、へと送れるだけメールを送った。また携帯を悪用される場合に備えてプロバイダに電話してSIMに利用制限もかけた(上司がドイツ語に関して助けてくれて非常に助かった...)。流石に異国の地で携帯を無くすと何もできなくなる(Google翻訳も使えなければ、Mapも使えない)し、メンタルに相当来る。まあとは言え財布を無くすよりはマシだったと自分に言い聞かせて強い気持ちで労働に向き合っていた*8。勿論労働に集中できるわけもなく、脳死で無意味にLinuxコマンドを叩くなどの行為が増えていた。

そして放心状態のまま数日が経ち、苦肉の策として新しい白ロムでも購入しようかとネットサーフィンをしていたそのとき、ついに市役所の落とし物サービスからメールが届いた!どうやら親切な人が携帯電話を届けてくれたらしい!びっくりである。オーストリアが治安が良いとは前々から聞いていたが、こんなことが起ころうとは!とは言えここで喜びすぎると、もし届けられていた携帯電話が自分のとは全く違うものだった場合メンタルがぶっ壊れそうになるので、翌日期待しすぎないで落とし物サービスに向かうことに。しかしいざ行ってみたらそれは紛れもなく自分の携帯電話で、5年生活を共にしてこれほど愛おしく思えたことはない。携帯電話を開いてみたら誰かがイタズラで写真を撮っていて普通に怖かったが、利用統計を見てみたらロック解除されたわけでもなくカメラのみ使われていたことが確認できたのでひとまず安心である。

深夜に撮られたイタズラ写真、ただ影だけで恐ろしい。

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という感じで9月はドタバタだったが、何とか乗り越えられた気がする。あと一ヶ月オーストリア生活楽しむぞ〜。

*1:Linz版Oktober Festivalのようなもの

*2:Toru Giga Prague Kendo Cup 2022というもの

*3:一方、高校のとき部活の文化が嫌いで辞めてしまった

*4:マイケル・ジャクソンがLive in Bucharestで間違えてブダペストって言ってしまったとか

*5:オーストリアでは9月でもう気温が15℃ほどになるし10月は10℃前後になる

*6:Boltという電動スクーターサービスを使った。なんとルーマニアでは最高時速25km出る(クラコフでは最高時速20kmだった)

*7:ペンタゴンに次ぐ世界で二番目に大きな建物である。部屋数が多すぎて部屋のうち66%は使われていないとか

*8:どんなに辛い状況になったとしても労働をしなければならないのは時に残酷である。ただ同僚と話して少しは気を紛らわせたのも確かである